第38回医療情報学連合大会(福岡)に行ってきました【2】

11月22日~25日に開催された医療情報学会の学術大会の報告と雑感その2です。

医療情報の二次利用とクラウド

今回の学会で印象的だったのはランチョンセミナーのお弁当が美味しかったこと!とアマゾン(AWS)やマイクロソフトといった超大手クラウドサービス事業者が出てきていたこと。

データガバナンスという考え方

医用工学研究所さんとマイクロソフトさんによるセミナーでの話は、医療機関側がベンダーに期待すること、ベンダー側は医療機関運営のパートナーとしての責任、それぞれを明確にして、その上でデータを有効活用できる状態にするデータガバナンスという考え方について。

システム導入前、ベンダー選定前からこのデータガバナンスの観点でプロジェクトを進める必要がある。

クラウドやAIといった技術がこれまでの医療情報の活用を変えていくかもしれないこの時代に、まず必要なのがデータガバナンスだとのことでした。

クラウド事業者が業界の新たなプレイヤーに

医療情報というのは、特に配慮が必要な個人情報を取り扱うことからクラウド活用には十分な注意が必要なのですが、だからこそ今や安全なクラウドを使う時代です。

この学会で初参加のアマゾンさんがスライドで紹介してた、CIAの人の下記コメントのように今後の日本の医療情報セキュリティの考え方は変わっていくでしょう。

セキュリティはCIAの存亡に関わるニーズであることに間違いはない。だが、クラウドは、最も弱い日でも、クライアントサーバーより安全だ。繰り返すが、クラウドは、最も弱い日でも、より安全だ。

Sean P.Roche – Associate Deputy Director CIA

ちなみにアマゾンさん、「日本の医療情報ガイドライン」という下記のページも用意しています。
https://aws.amazon.com/jp/compliance/medical-information-guidelines/

こうして医療情報クラウドが当たり前の時代になったら、つまり医療IT業界でもいわゆるGAFAと呼ばれるような企業群が台頭する時代になったら、音楽業界や出版業界がそうであったように、大きなマーケット構造の変化が起こると思うのです。

そのことは私たちに何をもたらすのか、そんなことに想いを馳せたセミナー後でした。

地域包括ケアから地域共生へ

地域包括ケアについても一層踏み込んだ議論が展開されてました。

この分野こそ早くIT活用を、クラウド利用を推進しなければいけないところですが、そんな中、実際の現場の声や課題が興味深かったです。

医療職と介護職の使う用語の共通化の話や、病院、在宅それぞれの様子がイメージできる記載表現、退院後の患者のモチベーション変化の考慮など、貴重な話をたくさん聴けました。

この辺りは、私たちITに関わる人間ももっと実際の現場に入って行くことができればと感じています。情報の共有もさることながら、地域包括ケア現場の経験や知見の共有も必要なのではないかと。

さらに言うと、医療・介護関係者、IT関係者だけの話ではなく、地域の様々な立場の人達が、そして患者やその家族といったサービス利用者も含めてこうした情報や知見の共有をしていくことが、大会長講演でも論じられた今後のキーワード「地域共生」の実現に向けたポイントであると言えます。

医療情報技師の仕事と役割

医療情報学会ということで、当然、医療情報技師の方たちの発表も多いのですが、ここでよく議論される「医療情報技師の役割」についてのセッションも考えさせられる事が多かったです。

これから上に書いたような変革が起こる医療情報の分野において、医療機関などの施設に単体でシステムを提案したり、導入し運用したりという事ではなく、幅広く情報を集めて地域との関わりを含めた広い視野を持って、新たな展開を予想する、新たな価値を提案する力が医療情報技師に必要なのだと、そういう仕事をして行きたいと改めて感じてます。

今回の記事、長くなりましたがここまで読んでいただきありがとうございました。

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